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【音の魂を伝える】TANGOトランスの歴史と技術革新

  • 執筆者の写真: r t
    r t
  • 5月6日
  • 読了時間: 3分



真空管アンプの音質を大きく左右する重要なパーツ、それがトランス(変圧器)です。数あるトランスメーカーの中でも、その卓越した技術と音質で多くのオーディオファンを魅了してきたのが**TANGO(タンゴ)**です。今回は、TANGOトランスが歩んできた歴史と、その技術革新の軌跡を紐解いていきましょう。


TANGOの誕生と創業者の情熱

TANGOトランスは、1930年代に創業者の谷口昇氏によって設立されました。谷口氏は、当時まだ黎明期であった日本のオーディオ業界において、高品質なトランスの必要性を強く感じ、自らの手で理想のトランスを追求することを決意します。

創業当初は、ラジオ用の部品製造からスタートしましたが、その高い技術力と品質へのこだわりが評判を呼び、次第にオーディオ用トランスの分野へと進出していきます。特に、真空管アンプが隆盛を迎えた1950年代から1970年代にかけて、TANGOトランスはその優れた性能と信頼性から、多くのオーディオメーカーや愛好家にとって欠かせない存在となりました。


TANGOトランスの特徴と技術革新

TANGOトランスの音質は、一言で表すならば「力強く、そして繊細」と言えるでしょう。その背景には、長年にわたり培われてきた独自の設計思想と、厳選された素材、そして熟練の職人による手作業での製造があります。

  1. 高品質なコア材の採用: トランスの性能を左右するコア材には、厳選された高透磁率の珪素鋼板などが用いられ、効率の良いエネルギー伝達と歪みの低減を実現しています。

  2. 緻密な巻線技術: 熟練の技術者による手作業での巻線は、均一で正確なインダクタンスと低損失に貢献し、クリアでパワフルなサウンドを生み出します。

  3. 独自の回路設計: 長年の研究開発によって培われた独自の回路設計は、真空管アンプのポテンシャルを最大限に引き出し、音楽の持つ豊かな表現力を余すところなく伝えます。


TANGOは、時代の変化に合わせて常に技術革新を続けてきました。出力トランス、電源トランス、チョークコイルなど、様々な種類のトランスを開発し、それぞれの用途に最適化された設計と製造技術を追求しています。特に、ハイファイオーディオのニーズの高まりに応え、より高音質で低歪みなトランスの開発に力を注ぎました。


オーディオ史におけるTANGOの功績

TANGOトランスは、数多くの名機と呼ばれる真空管アンプに採用され、その高音質を支えてきました。その信頼性と実績は、プロの現場からオーディオ愛好家のホームシステム)まで、幅広く支持されています。


残念ながら、TANGOは2000年に一度その歴史に幕を閉じましたが、その技術と精神は、後継の九十九電機(現:デジット)のISOトランスへと受け継がれています。ISOトランスもまた、TANGOの伝統を受け継ぎ、高品質なオーディオトランスとして多くのファンに愛されています。


おわりに

TANGOトランスの歴史は、日本のオーディオ技術の発展と深く結びついています。創業者の情熱と、それを支える技術者たちのたゆまぬ努力によって、TANGOは時代を超えて愛される音を創造してきました。


もし、ご自宅にTANGOトランスを使用したオーディオ機器がございましたら、それは貴重な財産と言えるでしょう。真空管買取センターでは、TANGOトランスをはじめとする高品質なオーディオ機器を丁寧に査定し、適正な価格で買取させていただきます。お気軽にご相談ください。


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